こんばんわ
今日は読み終わった本の紹介をしていきます。
今回の記事の内容
消費税がなぜ悪税なのか
現在10%の消費税で一部の食品には8%の軽減税率です。
増税から1年以上経過したので生活に溶け込んでいる部分はあります。
しかし、消費税は明らかに国民の生活に打撃を与えています。
増税による駆け込み需要が起こり直近の税収はアップしていますが、その翌年には既に前年比で税収は下がっています。
結果から見ても、消費増税では継続的な政府の収入益の柱とはなりません。
しかも、消費税を上げると同時に他の税金を優遇しているため、さらに悪税となって見えてしまいます。
その原因が法人税の軽減ですね。
2018年の歳入およそ60兆円の内訳で所得税は33%、消費税が29.3%、法人税が20.4%となっています。
消費税が法人税を超えて政府の財源の柱になっています。
景気の波があり、税収にも影響があると思ったら違っていました。
法人税が低い理由
グローバル化社会となった現在ではお客は国内だけでなく、世界を相手にしています。
となれば、政府としても国際競争力を停滞させるわけにはいかないため様々な優遇措置を取っています。
その結果、国内の大企業は海外進出をし大きな利益を上げています。
しかし、肝心の法人税は軽減されているため恩恵がなくなっています。
前回の本にも書きましたが、過去には40%以上の税率が今では23.2%しかありません。
消費増税よりも大幅な下落率で、企業としてはウハウハです。
しかも、国は税金の二重課税を防止しているため意図的に税率の低い所で利益を上げるようにするタックスヘイブンという節税スキルが発達しています。
合法的な脱税システム”タックスヘイブン活用術”
過去には、イギリスのスターバックスも30億ポンドの収益を上げながら法人税が860万ポンドしかない事が発覚しています。
さらに遡って12億ポンドの収益を上げながら法人税を支払わなかったことが発覚し税務調査を受けます。
この事実に国よりも国民の反感の勢いが強すぎて、さすがに追加納税の流れになりスターバックスは自主的に2000万の追加納税をしますがこの行動がさななる批判が集まります。
「お前らが勝手に納税額を決めているのか?」とさらなる炎上騒ぎとなります。
ではなぜスターバックスは法人税をここまで少なくできたのかにはカラクリがあります。
先ほどにも少し書いた税金の低い所で収益を上げたり、特定国との取引で優遇税率を利用したり、自国間取引を活用したりと意図的に課税される収益を減らしています。
私も一度読んだ限りでは理解できませんが、図を見て何度も何度も読んでようやく少し理解できる内容です。
優秀な税金のスペシャリストが考えた一見して合法的な節税対策です。
この合法的な脱税としか言いようのない税金逃れが横行し、富裕層や大企業にお金が集まるシステムが築かれています。
しかも、頭の良い人たちが考える理論構築なので裁判になって国が負けるという判例も出ています。
消費税が国を滅ぼす
今回の本は2019年に出版されたものなので比較的新しい内容です。
消費増税がいかに悪手であり、富裕層と貧困層を二極化に向かっている事がわかりました。
消費税アップは何のための政策なのかは明らかです。
現段階では富裕層の支払う税金を賄うためです。
日本でスーパー富裕層(資産50億円以上)の人が何人いると思いますか?
本書によれば、2018年でおよそ3600人います。
サラリーマンでしか収入を得ていない私には到底想像のできないお金を有しています。
この方々は、もはや仕事をしなくても困る事はありません。
竹中平蔵の言う、お金持ちばかりが税金が多いのは不公平というジャイアニズムはこれからさらに広がっていきます。
過去に中級階級が多く幸せの国と言われた日本が、富裕層と貧困層に分かれ圧倒的に貧困層が増えています。
貧乏人は給料が上がらない中で不公平な税金を支払い続け収支が赤字体質寸前になり、富裕層は貯め込んだお金をさらに増やしながら私腹を肥やし続ける。
見た目には一般的な家庭も何か問題が起これば崩れ去るような危険な状態です。
なぜなら消費増税があっても、国民には何も還元されるものはなく他で減った税収の穴埋めでしかないからです。
国も金持ちも誰も助けてくれない
本書を読んで税制体質の矛盾をいくつも上げ、しかも対策案も書かれています。
しかし、相手が大きすぎるため一国民の私だけでは立ち向かう事のできない提案です。
消費税は大多数の人たちを苦しめる税金なのは明白ですが、一部の富裕層にとっては自分たちの支払うお金の身代わりになる代物でしかありません。
所得の再分配とは何のためのか。
過去に財閥を解体したのはお金が一ヵ所に集まるのを防ぐためだったはずです。
お金が集まる所には、お金だけでなく、人、権力などの大きな力が発生します。
その力が政府をまた牛耳っているわけです。
消費税はその力の成れの果てです。
”消費税が国を滅ぼす”を読むならこちらから↓
最後に
本書を書かれた富岡幸雄さんは消費税導入から増税まで一貫して反対を続けています。
前回読んだ本にも書かれていますが、消費税は強者による強権以外の他なりません。
貧困層は黙って金を払え!と言わんばかりの徴収システムです。
一方で多く稼いでも納める金額を減らせいているのでは不公平の極みとしか言いようがありません。
ただ、ここで今の世に対する文句ばかりを書いても仕方ありません。
やはり金を稼げないと今の世の中は生きていけないのも事実です。
お金を稼ぐだけでなく、守る、使う、増やすなどを身に付ける必要がありますね。
ここまでお読みいただきありがとうございました。