こんばんわ
7月最初の記事は読み終わった本についてです。
今回の記事の内容
ビブリア古書堂~栞子さんと巡るさだめ~
前回は話ごとに各登場人物視点ごとに物語が進められ、それぞれの心の声を聞けてよかった。
今回も同じ手法があるのかと思いきや、今回はありませんでした。
しかし、今回も全体の構成がいつもと違い読み手を飽きさせませんでした。
最初に物語の終わり部分の風景が流れます。
もちろんネタバレはありませんが、大輔君が病院にいてあちこち大怪我をしている所から始まります。
なぜ、こんなにも怪我をしているのか?事件に巻き込まれたのか?病室になぜ栞子さんではなく母親がいるのか?と謎だらけの内容です。
今回は大輔君が今に至るまでの話を栞子さんの母親に話すように物語が進んでいきます。
まず、今回の作品では1巻で栞子さんを怪我を負わせた田中という人物から手紙が届きます。
この田中は栞子さんが持つ太宰治が直筆の詩を書いた「晩年」の本を執拗なまでに狙いますが、最後は警察に御用となりました。
その田中が裁判の公判中に一時釈放される事を知ります。
警察には被害者に近づかないと約束しますが、本を手に入れるために何でもやる相手を栞子さんや大輔君は懸念しています。
そこへ田中から晩年の本を奪うという内容の手紙を貰えば不安はMaxとなります。
大輔君はこの田中という人物に接触し、本心を探るように動きます。
そこで会話をすると田中は少し改心したような言動をし、栞子さんの持っていた晩年の本を諦めていました。
なぜなら、栞子さんが晩年を燃やしたと今でも思っているからです。
(晩年を燃やした理由を詳しく知りたい場合は1巻をご覧ください)
どうも手紙を送った内容と今目の前にいる田中は違う部分がありますが、相手の本心はわかりません。
そして、田中は大輔君にあるお願いをします。
それは、田中の祖父が持っていた太宰治の晩年を探して欲しいという依頼でした。
彼が晩年に執着する理由は、祖父が持っていた晩年が欲しかったからである。
一巻で狙った晩年は実は祖父のものではなかったのです。
ここから物語はスタートします。
栞子さんは田中が探す晩年を見つけるために動くのではなく、今所有している人に身の安全を知らせるために依頼を受けたフリをするのです。
本作品のオススメポイント
今回は1巻に出てきた田中が登場し、平穏な日々が崩れ去ろうとしている所から始まります。
しかし、田中と話した大輔君は過去の彼との印象が違い少し戸惑っています。
依頼を受けたフリをして田中が探す晩年を調べますが、50年近くも前の出来事なので中々進展もしません。
小さなきっかけを元に徐々に晩年へと近づくのですが、その途中で依頼主の田中が栞子さんが過去に燃やした晩年が偽物だったと知り奪いに来るシーンがあります。
50年前の晩年が失われたきっかけの出来事、1巻で見せた田中の本性の再来など後半は真相とアクション部分も面白い1冊となっています。
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ビブリア古書堂の事件手帖 (6) ~栞子さんと巡るさだめ~ (メディアワークス文庫)
最後に
いよいよ次回でビブリア古書堂も終わりです。
スピンオフ作品はあるようなので、機会があれば読んで見たいと思います。
本作は古書にまつわる事件の内容ですが、私は太宰の作品は読んだことはありません。
夏目漱石の”坊ちゃん”や”心”は学校の教科書でも取り上げられていたので読む機会があり社会人になって読み返して面白かったと思う部分はありました。
今後は、本書の影響を受けて名作と言われる作品を読むのも良いかもと思えます。
みなさんのオススメがありましたら是非コメントによろしくお願いします。
ここまでお読みいただきありがとうございました。