こんばんわ
今日は久しぶりに読書感想文ですね。
砂漠という本ですが、環境に関する内容はほとんど出てきません。
中身はトレンディードラマのような大学生活のお話です。
今回の記事の内容
砂漠のあらすじ
仙台の大学の法学部に入学したばかりの大学生たちが主人公です。
学校が始まって、すぐに学生たちだけの親睦会をするところから話が始まります。
そして主人公の1人である北村君の視点で物語が進みます。
あまり雰囲気に打ち解けない様子の北村君は静かに過ごしていました。
そこへ1人の男が近寄ります。
それが鳥井君というチャラチャラした様子の学生です。
彼は、大学生活を謳歌するために遊びまくると宣言しています。
その宣言を実行するために北村君を誘って女子グループに割り込んで飲み始めます。
本命の東堂さんという女性は既に男子が十重二十重に取り囲んでいるため、とりあえず座った席でここでまた偶然が起こります。
そこに座っていたのは鳥井くんのかつての旧友だった南さんという女性に出会います。
こうして主人公が続々と登場し、飲み会も盛り上がってきたところに遅れて登場した小太りで黒ぶちメガネの男性が荒い息遣いで登場します。
その男性は西嶋君という人物です。
遅れて登場するのは仕方ないが、遅刻の言い訳を延々と話し、なぜか無意味な戦争を辞めるために・・・と話が脱線します。
酔った学生からヤジが飛ぼうが笑われようが、彼は動じることなく話を続けます。
そんなハチャメチャな飲み会から物語がスタートします。
本作を読んだ感想
本作品は1年の春、2年の夏、3年の秋、4年の冬と季節ごとの話になります。
なので季節感のある流れは読んでいる私も飽きる事はほとんどありませんでした。
その中で一番大きな出来事は、鳥井君の事故です。
彼は2年の夏に好奇心から大事故に遭い片方の肘から下を失います。
そこから鳥井君は心を閉ざし、誰と会っても話す事はなく無気力状態になってしまいます。
落ち込んだ鳥井君を何とか以前のような明るい頃のように戻そうと試みますが、一向に回復しません。
そこで活躍するのが飲み会でムチャクチャな演説をした西嶋君です。
彼の奇想天外な方法で鳥井君は以前のような快活な人間に戻ります。
本作は大学生が主人公という事もあり、なぜか私自身も学生生活の事を思い出していました。
この本に出てくる鳥井君や西嶋君のような親友や南さんや東堂さんといった華を添えるような女性たちとも出会っていませんが、私の脳内イメージではなぜか私の通っていた大学が思い起こされます。
私の大学生活はバイト、ギャンブル、学校の三本柱でした。
こんな物語のような出会いがあったらなって少し羨ましくなります。
そして、本作は伏線回収が素晴らしいです。
先ほど述べた鳥井君の大事故にはある出来事が関係しています。
事故に遭った時点では彼はやられっぱなしでした。
そして、復活した後ももう事件の事を忘れようと周りも気を使います。
だけど心情ではそれで収まるはずがありません。
そのスカッとする部分もある一冊です。
”砂漠”を読むならこちらから↓
砂漠というタイトルの意味
なぜ、大学生活なのにタイトルが砂漠なのか?
それは本書に出てくる登場人物たちも色々と話しています。
学生生活をしている時は砂漠ではなく、砂漠の中の安全な町や村で過ごしています。
卒業と共に社会出ると砂漠という生き抜くのに過酷な環境へ出る事を意味するという事でした。
そういう意味で砂漠なのかと思ったのですが、別の言葉を言った人間がいます。
”砂漠に雪を降らせる”
もちろん西嶋君のセリフです。
彼はあり得ない事をするという意味で砂漠というキーワードを引用しています。
社会の苦しさを知らしめる砂漠という意味よりは、西嶋君のいうこの世では起こらない事をするために使う言葉で砂漠で連想する方が夢があって良いなって感じます。
最後に
この作品はもう一度読みたいと思える作品です。
私が40歳を過ぎて、色々と諦める時期が来た時に力を貰える一冊だと思います。
ブックオフオンラインのおススメも良い仕事をしています(笑)
読書はこれかも続けます。
ここまでお読みいただきありがとうございました。