おはようございます。
今日は読み終わった本の読書感想文の回です。
もくじ
教場
本作品は数年前に木村拓哉さんが主演でドラマ化されたものです。
警察学校という学生とは言えないような場所が舞台でした。
規則規律が厳しく、人間同士もギクシャクするようなあんな場所で警察が育っているのかと信じられないと思いました。
そして何より木村さん演ずる風間公親教官が生徒に容赦なく言い放つ
「君には警察学校を辞めてもらう」
鮮烈なイメージが残りました。
こんな事をいう学校があったでしょうか。
学校を辞める前に先生ならば引き留めるのが本来の姿だと思っていたのに、あえて辞めさせる真意は何のか?
それは読んでいくうちに風間教官の優しさであった事に気が付きます。
ドラマ版で見逃した部分の謎がわかった
ドラマ版を見た時に私は1つだけ不可解だった部分があります。
楠本しのぶ(大島優子さん)と岸川沙織(葵若菜さん)の2人が演じた部分です。
2人は警察学校に同期で入学し、部活も一緒で仲が良くしていました。
一見すると仲の良く見えますが、楠本は岸川に対してある行為を行っていました。
それは脅迫の手紙を送っていた事です。
岸川も不安になり楠本に相談しますが、ある事をきっかけに楠本がやっていた事がバレてしまいます。
その結果、岸川が裏切れた事への報復に楠本を立体駐車場に挟んでしまったのです。
この事故により楠本は歩行が困難になるくらいの大怪我を負ってしまいます。
ドラマ版を見た時に迫力ある演技に取り込まれたため、その後の話が入ってきませんでした。
なので、なぜ楠本が岸川に脅迫の手紙を送っていたのかわからず仕舞いだったのですが、本作を読んでわかりました。
風間教官の恐ろしき洞察力
風間教官に睨まれたら逃げる事は出来ない。
その言葉通り風間公親には嘘や隠し事は出来ません。
疚しい事をやった人間は全てバラされます。
さすがなのは簡単な所作の1つで体の不調、不安などを読み取ってしまいます。
しかも、的確にズバズバと当ててしまうため学生たちは追い詰められていきます。
話が進むにつれて生徒は風間教官という人物に恐れを抱く部分がわかります。
風間教官は本当に怖い人なのか?
警察学校を辞めてもらう!という強烈な言葉を言う人を優しいと思う人はいない。
だから風間教官も怖い人だと思うだろうか?
私は本作を読み終わって風間教官は決してただ怖い人とは思わなかった。
じゃ、なぜ学校を辞めろ!と生徒に対して言うのか、それは警察がどれほど辛く忍耐の必要な仕事だとわかっているからだ。
そのため、篩(ふるい)に掛けて見込みのある人間だけを採用する必要がある。
本当に危険だから辞めなさいと諭しているのだと思います。
それでも反骨精神を見せる人間にはチャンスを与え、クリアできれば了承する人です。
内面は実に人間味の溢れる人だったと本書を読み終えて感じました。
教場を読むなら↓
最後に
久々に読書欲を掻き立てられる作品でした。
前回の読書感想文から異常なまでの速さで読み終わっています。
こんなに没頭するのは半沢直樹シリーズを読んで以来です。
これだから読書は辞められません(笑)
ここまでお読みいただきありがとうございました。